サボテンを受け継ぐ
温室のサボテンが次々に開花して、花を眺めるのが楽しい季節です。と同時
に、1年で最も世話を要するこの頃です。
培養土を作ったり、植え替えたり、また、水やり、開花苗の交配、接ぎ木など、
この時節にやっておきたいことは盛りだくさんです。
開花苗の写真も撮りましたのでご紹介します。
長城丸(ちょうじょうまる・Turbinicarpus pseudomacrochele)
長城丸は小型種で、姿形も地味なサボテンです。温室の中でも、普段は目立
たない存在です。それが、花を咲かせると、俄然、輝きを放ちます。温室の一
隅を照らすほどの美しさです。
感慨深い開花です。このサボテンは、長年、サボテン界の発展にご尽力された
和歌山のK先生(園芸研究家・NHK趣味の園芸を担当)が愛培されていた苗
です。先生がご逝去されて、今年2月に、ご縁があって他の数本のサボテンと
共に受け継ぐことになった苗です。
K先生のラベルを拝見すると、「1968年(S43年)輸入」と記されています。
その時以来、大切に慈しみ、綺麗に育てられたのが分かります。
長城丸は、通常は単幹で球径3センチ程度の小さなサボテンです。実生で育て
た場合は、これだけの群生球になるまでには50年以上を要することでしょう。
これは、原産地球ですが、自生地でもこれだけのものは、稀ではないかと思わ
れます。サボテンの命のバトン、大切に受け継ぎたいと思います。
自生地:メキシコ・ケレタロ州、サンルイスポトシ州
特 徴:普通単幹、球径約3センチ、高さ5~7センチ、絡み合うような細い刺
桃色花、濃い色の中筋がある、早春~春咲き
白鳥(はくちょう・Mammillaria herrerae)
友人のM氏から、先日、戴いたサボテンです。球体が真っ白で、美しく作られて
います。植え替えをして、水をやったら、さっそく、開花しました。(M氏に謝々)
自生地:メキシコ・ケレタロ州、サンルイスポトシ州
特 徴:球径3.5センチ程度、円筒状に育つ、刺は白で繊細、ピンク花、春咲き