緋と燃える肌色のサボテン
皆さま こんにちは
秋涼爽快の時節になりました。
お元気でお過ごしのことと拝察いたします。
久し振りのサボテンブログです。ご覧いただけると幸いです。
昨日、緋牡丹錦が開花しました。緋牡丹錦は美しい斑入りサボテンです。
花の咲かない寒い冬の季節に「緋と燃える肌色」を楽しむため、数本、温
室に置いています。
花も綺麗で、春から折々咲かせます。
この緋牡丹錦というサボテン、1942年(昭和17年)頃に渡辺栄次氏によ
って作り出されたものです。作出の経緯は、昔の『シャボテン』という冊子
(シャボテン社発行、1960年刊・30号)に掲載されている渡辺栄次氏の
『私の斑生活三十年』という記事で当時を偲ぶことができます。
記事の一部をご紹介します。
『緋牡丹錦は私が昭和十七年に1万粒播種の結果わづかに2、3球不完全
な紅班が散見され、芯止め、接木、胴切り、実生等努力し稀代の名品が出
現したのであります。その間同好の士の少なからざる協力もありました。
戦時中だけに一方ならぬ苦心もあり、播きつけまでの1万粒用意に実に三
年間の日子を要し(原種の牡丹瑞雲は当時少なかった)苦労もありましたが、
度々各誌にも書いたり、書籍にも載り、海外にも紹介されたりして今や世界
の寵児となり、赤いシャボテンは完全に樹立されました。
由来はこの辺で止めまして、ただ一言、私の一生を通じてシャボテン界に何
の足跡を残したかと言えば、緋牡丹錦の作出と言わせて下さい。それで満足
です。』
先達の多大な功績、偉業です。いまでも世界中で愛される美しいサボテンを
作出したのですから。
現在は愛好家により、さらに多様な斑色の緋牡丹錦の繁殖が行われています。
Dの父親が製本して残した当時の『シャボテン』誌、全巻
ご覧いただきありがとうございました。