今夏も少々種を蒔きました
実生への思い
毎年、実生するたびに思い出されるのは、昔、サボテン仲間と訪ねた静岡の
趣味家、先達翁氏のこと。
趣味家と言っても、半業者さんなので、ハウス内を見て回りお気に入りを探し
ました。やっと、欲しい苗が目に留まり、譲っていただけるかお伺いすると、
「これは、来春、採種して蒔くので、ご勘弁を」とのこと。
残念だったが、それ以上に、長年、サボテンを慈しんで来られた九十歳の先
達翁氏が《来年、種を蒔く》と言われたことに感服。このとき、《種蒔きは生涯
楽しむものだ》と教えられましたよ。
仙友のN氏、М氏と共に、今年はジョンストン玉(白帝城)の種を蒔きました。
このサボテンは実生開花への道程がとてつもなく遠いことで有名。
『桃栗3年、柿8年、梅はすいすい13年。梨の馬鹿めが18年、林檎ニコニコ
25年。白帝城、遠くに霞む30年』
今から種を蒔いても花は見れないぞ!それでも蒔こうと、日頃から、サボテ
ンに元気を貰っているおじさんたちの無邪気な試みが始まりました。(笑)
種蒔き
①ジョンストン玉(Ferocactus johnstonianus 和名・白帝城)
N氏が小苗を30年栽培して、やっと一昨年に初開花。国内での開花例は数例
しか無く、交配する相手が見つかりません。そこで、N氏は「自家受精」をやって
みたら、運よく結実したそうである。
2015年1月採種。稀少種ゆえに仲間にお裾分け。写真は頂いた種子。
発芽
「自家受精」した種子でしたが無事発芽しましたよ。
発芽後の管理
発芽は揃わず、ぼちぼちと。早く発芽したものが腐るので、腰水をやめて霧吹
きで湿度調整中。
②赤花菊水(Strombocactus disciformis ssp.esperanza)
再度、種を蒔きました。生長遅鈍で開花までに年数がかかりそうです。
★写真は赤花菊水の花
タッパーに赤玉土(細粒)を半分。その上に水に流せるティッシュを1枚敷いて
蒔きました。
播種後、約20日。順調に発芽中。
一昨年9月に蒔いた赤花菊水
遮光をゆるめ、外気に馴らしたので、やや堅く、赤っぽく育っています。
数は減りました。
③瑠璃兜錦(Astorophytum asterias f.nudum f.varieg)
斑ものの実生は久し振りです。
偶々、ルリ兜錦三本と大疣ルリ兜三本が一斉に開花したので交配してみました。
親木の斑回りが良い訳でもなく、少々の種子からでは優品は得られませんが、
約700粒、遊び心で蒔いてみました。
以前に蒔いた碧瑠璃鸞鳳玉錦。
残ったのは僅か4本。想い出の苗が数本残ってくれれば十分ですね。
ご覧いただきありがとうございました。