難物の誉れ高きサボテン
白紅山(はっこうざん・Sclerocactus polyancistrus)
自生地:アメリカ・カリフォルニア州、ネヴァダ州、アリゾナ州
前述の英冠に肩を並べる美しいサボテンであり、また、英冠以上に難物の
誉れ高いサボテンです。
白紅山の刺
細い鈎状の紫紅刺と白刺が入り混じって、全体として美しい姿をしたサボ
テンです。
写真の苗は、掻仔を挿して、自根を出させたものです。接ぎ木でないので、
径が出ません。
白紅山の花
紫桃色の大輪花が綺麗です。春咲き。
写真は接ぎ木苗。今年も交配と採種を楽しみにしていましたが、開花した
のは、この一花のみです。
親木三本ありますが、今年はツボミが出ず不調です。
実生の白紅山
小苗のうちからポツポツ消えますが、これからは、もっと油断ができません。
植え替えて、根の状態を観察しました。新刺が出て、根に異常がなければ
大丈夫です。
実生の白紅山、こちらは異常ありです
こちらも新刺が出て、瑞々しく生長しているように思えます。
健康そうに思えたのですが、抜いてみると、根の一部分が赤くなっています。
ナイフで太根をカットしてみました。茎の表面に「赤腐れ」が入っています。
これが、中心の髄に入ったら、もう、助かりません。
赤腐れの無いところでカットして球体を助けます。
切り口にベンレート(殺菌剤)を塗って乾かします。後日、挿し木して発根させ
ます。
白紅山は球体の組織が多汁柔軟で、いったん赤腐れが進入すると、他のサボ
テンで、折々見られる自然治癒力を発揮しないまま、死滅してしまうように思え
ます。接ぎ木苗なら維持できますが、実生で育てるのは困難を要します。