アリオカルプスの季節
11月に入り、温室の一隅に陣取るアリオカルプス属のサボちやんたち
が年に一度の開花の季節を迎えました。
球体の頂部に真新しい綿毛を吹いて、その中から蕾を覗かせたかと思
うと一気に開花します。我も我もと、次々に花を咲かせるので、アリオカ
ルプスの「秋祭り」と言った賑やかさです。
サボちゃんにとって、春から蓄積してきた開花エネルギーを躍動させる一
瞬です。
命の輝きは美しく、それを眺めているとわくわくしますが、同時に、花は元
気の証ですから咲いてくれるとうれしくもあります。
ご紹介します。ご覧いただけると幸いです。
岩牡丹(いわぼたん)Ariocarpus retusus
三角形の疣をもつサボテンです。
写真は約三十年前の輸入球。当時12センチで、現在球径19センチ。白花。
玉牡丹(たまぼたん)A.retusus
岩牡丹の中で、特に疣が厚く、幅の広いタイプを玉牡丹と呼んで、昔は珍重
されていました。
これは疣の表面に「皺」が入るタイプ。皺玉牡丹と呼ばれています。
皺玉牡丹の花。
自生地では、球体のほとんどを地中に隠し、強い陽射しを避けています。
メキシコ・S.L.Pにて
三角牡丹(さんかくぼたん)Ariocarpus.trigonus
疣は細く、長い三角錐状で先端は尖っています。
花は黄色で群開。写真は、単幹の輸入球。
写真は、輸入、群生球。
赤花三角牡丹(あかばなさんかくぼたん)A.t.roseiflorus
写真は、輸入球。珍しいので、実生繁殖を試みています。
形態はは基本種と同様ですが、自生地は異なるようです。
三角牡丹の自生地
ブッシュのそばで遮光されるように生えています。球体のほとんどを土の
中に隠しています。
メキシコ・Jaumaveにて
竜角牡丹(りゅうかくぼたん)A.scapharostrus
球径、10センチ程度のサボテンです。一見、三角牡丹に似た外観ですが
疣が柔らかく、先端に丸味があります。
紫紅花。写真は輸入球。
こちらは、実生の7年生。このたび初開花です。
竜角牡丹の自生地
土に埋もれています。周りの石に擬態しているので、見つけにくいです。
メキシコ・Rayonesにて
ご覧いただきありがとうございました。