清流に添って歩く
今週初め、愛媛での所用の序でにSさんと市之川鉱山(S32年閉山)を
訪ねました。かれこれ四度目の訪問です。
西条市のホテルを出て、車で山道を登ること約20分。小学校跡のフェンス
に「アンチモンの里」の看板が設置してあります。この校庭跡に駐車。
このたびの探索地は、フェンス下の川向こうの山です。
校庭から近くの鉱抗跡に向かって踏み分け道を下ります。程なく鉱抗跡に
到着。入り口には、明治23年1月と彫り込まれています。
市之川鉱山の古い歴史が偲ばれます。
「明治26年(1893年)に市之川鉱山株式会社が設立される。1894年の
日清戦争、1914年(大正3年)の第一次世界大戦の頃、アンチモンの需
要が拡大し、鉱山は最盛期を迎えることになる。昭和に入ると不況に陥っ
て昭和32年(1957年)閉山した。」(沿革資料から)
と言うことは株式会社設立前から稼働していたようです。
此の辺りの河原には赤・青・緑の鉱物を含む岩盤や石が見られます。
先客が割った石が散乱しています。
前回、今年3月に来たときは流れが激しく対岸に渡るのを断念しました。
夏期は水量が少なく対岸に渡れます。ただ、対岸の踏み分け道を歩くの
はマムシが多いと聞いたのでやめました。谷筋を歩くことに。
ズリの下まで谷筋を歩いて近付き、そこから、山に入ることにしました。
足を踏み外すと深みにドボン。そう言う個所もあって、スリリングです。
地元の方から聞いたズリに到着。
山一帯がズリの様です。ズリ石は大きく、本当に水晶が出るのか、どの辺
りが出そうか、見当が付きません。
先客が掘った跡も見られたので、彼方こちらを試し掘りをするも、石英らしき
石が出てきません。水晶は拾えませんが、輝安鉱は結構、転がっています。
もう暑いので、それをお土産にして早々と退却です。
帰り道に、前回水晶を拾ったズリに立ち寄りました。もう、ズリ全体がすっか
り掘り尽くされていました。
お目当ての輝安鉱入り水晶は採集できませんでしたが、清流に添って川の
石を観察しながら歩くのは楽しく心地の好いものでした。
帰路が遠いので午後1時下山。
採集した輝安鉱(sb2s3)です。
針状、柱状に結晶するのですが、そういうのは採集できませんでした。
石英と輝安鉱の共生が見られるものもあります。